「昇進祝い」「栄転祝い」を贈る際に気を付けるべきことは?


お世話になった上司や先輩の出世はうれしいもの。
気持ちを伝えるためにも、マナーに則ってしっかりお祝いしてあげたいですよね。
しかし、「昇進」や「栄転」の陰には、当然選ばれなかった人もいるわけなので、スマートに祝意を伝えるには、細やかな気配りが大切になります。
なかなか難しい「昇進祝い」や「栄転祝い」の贈り方について、まとめてご紹介します。





「昇進」「昇格」「栄転」の違いとは?


お祝いを贈るにあたり、まず押さえておきたいのは「昇進」「昇格」「栄転」という言葉の意味の違いです。 昇進とは、同じ部署・支店などの中で、その人の地位が上がることをいいます。例えば、係長から課長になったり、部長が専務になったりすることです。
これに対して昇格は、「社内での能力評価システムにおいてその評価(等級)が上がること」であり、必ずしも昇進を伴うものではありません。
栄転は、昇進を伴う人事異動や花形部署、出世コースといわれる部署への異動を指し、役職の変更がなく、ただ地域が変わるような人事異動の場合は、単に異動、逆に閑職や明らかに出世コースから外れた部署への異動は左遷と呼ばれます。

一般的にお祝いの対象となるのは、昇進と栄転の2つとなります。
まずはお祝いをする場面かどうかを、しっかり判断しましょう。

多くの場合、上司やチームメンバーの昇進・栄転の際は、部署のメンバーが共同でお祝いを贈ったり、祝いの席を設けたりするのが普通なので、特別な関係がなければ、贈り物を用意する必要はありません。その場でお祝いのメッセージを伝えたり、部署が違うなどで出席できない場合でも、メールや電話で祝意を伝えたりすれば十分です。
ただ、家族ぐるみで付き合いのある場合や、仲人を務めてもらったなど、特別お世話になった場合は、お祝いの品物を贈ったりプライベートでお祝いの席を設けたりするといいでしょう。


昇進祝い・栄転祝いを渡す時期は?


昇進や栄転には転勤を伴う場合も多いので、タイミングを逃さないためにも、早めに渡すことを心掛けましょう。具体的には、正式発表から1週間以内、遅くとも2週間以内に渡すようにするといいでしょう。ただし、正式発表がない段階で先走ってしまうのはマナー違反なので、必ず正式発表を待ってからにしましょう。
また、会社の中でのことだけに、周囲の人とのバランスが大切です。一人だけ先に渡してしまうのも避けたいところ。職場の慣例があればそれに従います。部署のメンバーが共同でプレゼントを渡すことになっている場合は、個人的なプレゼントは社外のプライベートな場で渡すのがマナーです。
昇進・栄転できずに、複雑な思いを抱えている人も必ずいるはずなので、それらの人に配慮した慎重な態度が求められます。



昇進祝い・栄転祝いには何を贈るべき?


昇進祝いや栄転祝いに贈るべき品物について、細かいルールはありません。
ただ、目上の人に贈ると失礼になるとされる、次のような品物は避けたほうが無難です。

・靴、靴下、室内履き、下着など

踏んだり敷いたりする物は「相手を踏みつける」という意味に通じるので、あまり良くないとされています。



・割れそうな物、壊れやすそうな物

祝い事全般に共通ですが、壊れやすい物は不吉とされ、嫌がられる傾向があります。



・現金、商品券

今では気にしない人も多いですが、目上の方には失礼になると考える人もいます。
ただし、部下一同から贈るような場合には、現金や商品券でもいいとされています。

これらを踏まえて、個人でプレゼントを贈る場合におすすめなのは、日常の仕事や生活で役立ちそうな「ちょっとした実用品」です。共同で贈る品物とのバランスにもよりますが、例えばハンカチやハンドタオル、ちょっと高級なハンドクリームなどのコスメ、ポケットサイズで携帯に便利な靴べら、通勤時間の読書で活躍するブックカバー、ビジネスシーンでも使える革の小物や文房具などは人気のアイテムです。実用品からは少し外れますが、花束や鉢植えの植物も定番アイテムです。

もし上司がお酒好きで、その好みがわかれば、ワインや日本酒、ビール券を贈るのもいいですし、食べることが好きならグルメの詰め合わせでもいいでしょう。

また、グルメや和のアイテムなど、好みに合わせたカタログギフトもおすすめです。
受け取った人が自分でアイテムを選べますので満足度の高い物になりますし、贈る側も予算から逸脱することはありません。



昇進祝い・栄転祝いの相場はどれぐらい?


「昇進祝い」「栄転祝い」の相場は、一般的に3,000~30,000円程度といわれており、非常に幅があります。 勤務先の上司や同僚の場合、部課単位でもお祝いをするのが普通なので、個人でのお祝いは3,000~10,000円程度が主流です。相手との親密さや関係性によって判断するのがいいでしょう。

会社とは関係のない友人・知人や一般の親戚に贈る場合は、5,000~10,000円程度が目安になります。兄弟・姉妹など、近しい肉親の場合は10,000~30,000円程度が目安となります。



昇進祝い・栄転祝いの贈り方のマナーは?


昇進や栄転は、何度起こってもおめでたい出来事なので、水引は紅白または金銀の蝶結びにして、のしをつけます。 表書きは「祝 御昇進」「祝 御栄転」のどちらかを使えばいいでしょう。
栄転なのか異動なのか微妙な場合は「御餞別」でも構いません。



昇進祝い・栄転祝いの添え状・メッセージはどうする?


「昇進祝い」や「栄転祝い」を贈る場合は、添え状またはメッセージを添えるのが一般的です。
また、お祝いの品を贈らない場合でも、はがきや手紙でお祝いの意を伝えてもいいでしょう。

添え状やメッセージの形式はある程度決まっていますので、難しく考える必要はありませんが、相手との関係に合わせながら、下記の要素をうまく織り込んだ文面にまとめることがポイントです。

<昇進祝い・栄転祝いの文面に入れたい要素>


・お祝いの言葉
・これまでのお礼
・今後に期待する旨の言葉
・今後の活躍や健康を祈るなどの締めくくりの言葉

また、「辞める」「枯れる」「別れる」などのマイナスイメージを持つ言葉は、お祝いの場にはふさわしくないので控えます。

文例を2つ紹介しておきます。



<大学時代の友人の昇進を祝う場合>

拝啓 ご無沙汰していますが、元気でやっていることと思います。
○○から聞いたのだけれど、この4月に課長に昇進したそうだね。おめでとう!
サークル仲間の中では君が課長に一番乗りだ。まずはお祝いを言わせてもらうよ。
早速、祝杯を挙げに行きたいところだが、遠方ゆえにしばしご容赦を。
その代わりといってはなんだが、当地の銘酒を送るのでじっくり味わってください。 敬具



<取引先企業の課長の栄転を祝う場合>

拝啓 春暖の候、益々ご健勝のことと存じ上げます。
さて、この度は東京本社へご栄転とのこと、心からお喜び申し上げます。
今後はさらに責任ある立場に就かれ、さらに激務となるかと思いますが、
多年のご経験を存分に活かされ、一層ご活躍なされますようお祈り申し上げます。
まずはご栄転のお祝いまで。 敬具


このように、昇進祝いや栄転祝いの文面は、ある程度パターンが決まっていますので、ここで紹介したようなポイントを踏まえ、周囲とのバランスや気配りを忘れなければ、失敗することはありません。

なお、昇進・栄転に関わる贈り物をもらったときは、お返しをする必要はありませんが、落ち着いてから近況報告を兼ねたお礼状を出すことがマナーです。
何かお返しをしたい場合には、部署全員に行き渡るようにお菓子を配ったり、ハンカチなどの小物を用意したりするのがおすすめです。

昇進祝い・栄転祝いのお返しに関するマナーやお礼状の書き方はこちら