出産祝いを用意する際、水引の結び方やのし紙の書き方など意外と悩む場面が多く、どうすればよいか迷ってしまうこともよくあります。形式にとらわれすぎると窮屈に感じられるかもしれませんが、贈る相手への思いやりをきちんと届けるためには、基本的なマナーを身につけておくことが大切です。この記事では、出産祝いにふさわしい水引の選び方、表書きと名前の書き方、マナーや注意点について解説します。

出産祝いにふさわしい水引の選び方

出産祝いでは蝶結びの水引を使う
出産祝いに使用する水引は、ほどけやすく何度でも結び直せる「蝶結び」が最適とされています。この結び方は「何度あってもうれしいこと」を象徴するもので、出産のように繰り返し祝福される出来事に適しています。伝統的な贈答の形式としてだけでなく、幸せを何度も願う気持ちを表す意味でも、この結び方が選ばれています。
水引の色と本数
水引の色は紅白が一般的で紅は慶びを、白は清らかさを象徴する組み合わせとして、古くから祝い事に用いられています。また、3本は簡易的なお祝い、5本はもっとも標準的な形式、7本は1万円以上の高額なお祝いの際に用いられます。本数の選び方は贈る相手との関係性や金額とのバランスを意識することが大切です。
表書きと名前の書き方

出産祝いにふさわしい表書き
ご祝儀袋の表書きには「御祝」または「御出産御祝」と書くのが適切です。よく見かける「祝御出産」や「祝御安産」などの四文字表現は、縁起を気にする方には不安を与える場合があるため避けたほうが良いでしょう。出産祝いは相手の家族や親族など、多くの人の目に触れる可能性があるため、誰が見ても好印象を持たれる表記が望まれます。
名前の書き方と筆記具の選び方
水引の下には贈り主の氏名をフルネームで記載します。夫婦で贈る場合は、中央に夫の名前、その左側に妻の下の名前を添えるのが一般的です。複数人で贈る場合は、職位順や五十音順で中央から左へ並べて記入し、名前が多く書ききれない場合は代表者の氏名のみ記し、別紙で全員分を添えると丁寧な印象を与えられます。書くときには毛筆や筆ペンなどを使い、濃くはっきりとした文字で丁寧に記入することが求められます。
中袋の正しい記入方法
中袋には、表に「壱萬円」などの大字を使って金額を記入します。裏面には贈り主の住所と氏名を明記し、情報が正確であるかどうかを最終確認してから封をしましょう。連名で贈る場合などで記入スペースが足りないときには、和紙や半紙に必要事項をまとめて中袋に入れると、受け取る側にも配慮が感じられます。
出産祝いを贈る際のマナー

贈る時期の目安とタイミング
出産祝いを贈るのに適している時期は、一般的に赤ちゃんの生後7日目である「お七夜」から、1か月頃の「お宮参り」までの間とされています。生まれてすぐの時期は、母子ともに体調が安定していない場合もあるため、出産の報告を受けてから少し落ち着いた頃を見計らって贈るのが望ましいです。あまりに早く贈ると相手の負担になることもあり、逆に遅すぎると失礼と受け取られることがあるため適切なタイミングを見極めることが大切です。
現金以外の贈り物にも「のし紙」をかける
出産祝いに現金ではなく品物を贈る場合でも、のし紙を添えるのが基本的なマナーです。蝶結びの水引があしらわれたのし紙を使い、表書きには「御祝」あるいは「御出産御祝」と記入します。その下には、贈り主の名前を丁寧に記載しましょう。包装だけで済ませてしまうと略式の印象を与えかねないため、改まった贈り物として形式を整えることが大切です。
メッセージカードを添える
ご祝儀袋やギフトに加えて、メッセージカードを添えることで、お祝いの気持ちをさらに温かく伝えることができます。友人には「出産おめでとう!落ち着いたら赤ちゃんに会いたいな」といった気軽なメッセージでも構いませんし、職場関係の方には「このたびはご出産おめでとうございます。育児が落ち着かれたら、またお目にかかれる日を楽しみにしております」といった丁寧な言い回しを選ぶのが適切です。
出産祝いで避けるべき注意点

出産祝いに適さない水引と祝儀袋
出産祝いにおいては「寿」や「結び切り」、「あわじ結び」、10本の水引がついた祝儀袋は適していません。これらは主に婚礼用として使用されるものであり、出産祝いでは不適当です。また、水引が印刷された略式の袋や、カジュアルすぎるデザインの袋も避けるようにしましょう。贈り物は相手への敬意を表すもののため、包装や見た目もきちんと整えておく必要があります。
贈る時期を逃した場合の対応
もし出産祝いを贈るタイミングを逃してしまった場合でも、対応の仕方によって印象は大きく変わります。半年以内であれば簡単な送り状や手紙を添えて、遅れたお詫びと祝福の気持ちをきちんと伝えることが大切です。1年近く経ってしまった場合は、初めての誕生日祝いとして贈り直す方法もあります。
水引が持つ意味にも配慮する
水引は単なる飾りではなく、古くから日本で受け継がれてきた祝い事のしるしであり、「邪気を払う」「場を清める」といった意味が込められています。飛鳥時代の遣隋使の頃にまで遡るとされる起源を持ち、長い年月をかけて文化として定着してきました。こうした由来や意味を知ることで、単なる形式にとどまらず、贈る側としても気持ちを込めて準備しやすくなります。
まとめ

出産祝いを贈る際は、蝶結びの水引を選び、紅白の色や本数を贈る金額や関係性に応じて適切に使い分けることが基本です。あわせて、表書きや名前も丁寧に記し、のし紙や中袋のマナーにもきちんと気を配りましょう。贈る時期はお七夜からお宮参りまでが目安ですが、遅れた場合でも配慮のある対応によって気持ちは十分に伝えられます。水引に込められた意味を知ることで、形式だけにとどまらない、心を込めたお祝いができるようになります。
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