CASE05
自治体
江東区役所 様
防災について家庭単位で取り組むきっかけを生むことができました

令和5年、東京都 江東区では区民への防災啓発の一環として、防災商品を自由に選択できるカタログギフトを全世帯に配付する事業を計画。この取り組みにおいて、カタログギフトの制作から商品手配など、事業全体の運用パートナーとして、ハーモニックをご採用いただきました。
今回はこちらの取り組みについて、インタビューさせていただきました。

Q.「防災都市こうとう そなエールギフト」の開始と目的ということで、この事業をはじめたきっかけから伺いたいと思います。
区民の皆さまの防災意識を高める取り組みの中で、世帯ごとの啓発に課題感があったこと。また、区民の皆さまの声として「区に力を入れてほしいことの第一位」が、
「非常時の応急物資の確保」だった経緯から、防災の取り組みで使用されるギフトがカタログギフトに行きついたということですが、カタログギフトを今回の事業でご利用されることになったきっかけを、詳しくお教えいただけますか?
災害への備えや災害対応については「自助・共助・公助」の3つに分けることができますが、一番大事なのは自助だと思っています。
自助は、住民等の意識づくりから始まりますが「関心はあるけど、どこから手を付けていいか、なかなか分からない。」という声や、「準備にはそれなりに費用もかかるので後回しになってしまった」という声も実際ありました。
令和5年が関東大震災から100年の節目の年にあたり、防災についての啓発をするいい機会になるということで、都内全体で震災あるいは防災に関しての啓発に力を入れていく年となりました。あわせて江東区においても、このタイミングで「自助」について、各世帯で考えていただくきっかけづくりができないか検討を進めていました。
江東区ではこれまでも、防災備蓄用のリュックサックや防災備蓄用ラジオを全戸配布するといった取り組みは行っていました。また、各世帯においても首都直下地震のリスクや激甚・頻発化する水害への備えとして、備蓄をはじめとする自助の取り組みも進んできており、自治体で品物を選定して配付する方式では、その品物が各世帯で必要としているものなのかどうか確証がないという課題が出てきました。そもそもそれぞれの世帯によって、災害時に必要なものは違うと思いますし、自助の取り組みも進んでいるところ進んでないところ、様々ある中で、一律で同じ物を贈るよりは、贈られた側が選べる形が良いのではないか?と考えるようになりました。

今回、防災カタログギフトの全戸配付事業を実施したのは、商品を自由に選んでいただけるということはもちろんですが、様々な分野の防災グッズがあるということを知っていただくことで、ご家族で「この中から私達に必要なものはどれかな」と話し合うきっかけにもなってくれると考えたためです。もらう商品を選んだ後に、「もうちょっと、こういうのも必要だよね」という品物があれば、それぞれの世帯で準備する機会にもなる、つまり「自助の取り組み」の後押しにつながると考えました。
そういった目的で、この防災カタログギフト全戸配付事業を進めるに当たって一番に気をつけたことが「啓発」です。ただの商品一覧にならないように「その商品がどういう目的で備える必要があるのか?」ということを、各ページでわかりやすく伝えるように工夫しました。また、カタログギフトの冒頭に、江東区の災害リスクの説明や防災対策、避難行動等の解説も掲載するようにしました。つまりカタログギフトそのものが防災啓発のパンフレットになる、永久保存していただける構成としました。このように、区民の皆さまが個人あるいはそれぞれの家族で防災について深く考え、話し合っていただくきっかけになれば、という思いでこの事業を開始しました。

Q.ありがとうございます。この事業において最初に設定された目的と結果はいかがでしょうか?今回、江東区全世帯に防災カタログをお贈りされ、結果として約73%以上のお申し込み率と、数字の面では高い結果だったと感じますが率直なご感想をお教えいただけますか?
元々の狙いから行くと、防災カタログを通じた商品の注文の割合としては当然100%達成というのが本来あるべき姿なのでしょうけど、7割という結果でした。しかし、見方を変えれば、区民の7割以上の方が自助に関して取り組むことができた、という成果としてとらえられるため、この取り組みを通して防災について世帯単位で取り組むきっかけを生んだという点は、この事業の大きな成果だと認識しています。
Q.一番大切な「自助」を多くの方にご自覚いただくことができたということですね。数値以外の定性的な面でも、結果についてお教えいただけますでしょうか?
実際に区民の方からのお声として「防災カタログギフトがきっかけで、自分たちの家でもらったギフト以外にも必要なものってあるよね、ということがわかった」ということや、「自分たちでこういうのを買ってみた」といったお声があったため、そういった方が一人でも多く出てきたというのは、非常にうれしいことですし、評価しています。

Q.この事業にて、弊社をパートナーとしてお選びいただき、ありがとうございます。運用全体を通して、弊社サービスに持たれた印象はいかがでしたでしょうか?
ハーモニックのご担当の方と一緒にやらせていただきました。ご担当の方が色々と詳しかったため、動きとして非常にやりやすかったです。オリジナルのカタログギフト作成ということで、制作についてはいろいろ大変だったのですが、基本的にはスムーズだったという印象があります。

Q.弊社としては、今回のお取組みを通して防災について深い学びがあったため、大変感謝しております。弊社サービスの中で、特にどの部分をご評価されましたでしょうか?
やっぱりレスポンスの速さですね。結構細かいところを突いて色々お話させていただいたり、また、区民の皆さまからのお問合せについても、的確かつレスポンスが速かったのでスムーズに回答でき、我々の中でも共有できたりというのがありました。
ただ必ずミスはあります。イレギュラー対応も発生するなど、それなりに大変なこともいろいろありましたが、こういった部分についてもスピーディーにご対応いただけたと思います。

Q.この事業は世帯を通して区民の皆さま、ひとりひとりへの防災意識を高めることが大目的だったと思います。こちらについて、そなエールはどういった効果があったでしょうか?また、区民の皆さまからこの事業を通して、ご意見など反響がございましたら、お教えいただけますか?
ギフト自体に啓発ページなども入れていただいていたことで「実際に自助に繋がった」というお声以外にも、エリアごとに内容を変えたことで「分かりやすかった」といったこともありました。江東区の災害リスクについて具体的にしっかりとお伝えできたと思っています。

Q.最後にハーモニックへ、メッセージをお願いいたします。
事業が実際に始まって、短い期間でしたが、打ち合わせを何度かさせていただく中で、やはり私どもの方では啓発の観点から見やすさですとか、どういう情報を盛り込んでほしいとか、一方的に要望をお伝えしましたが、それに対してしっかりと向き合っていただき、効果的な成果物が出てきたことは、御社の様々なノウハウの応用が効いていると感じました。官民でやったときの「民の力」を実感することができました。
そういう形で、今後も官民の連携がいろいろあろうかとは思いますが、民の力を発揮していただいて、官の助けとなっていただきたいと思います。
我々は自助・共助の観点で、いかに区民の皆さまに内容を伝えるかというところに傾注していました。その部分から今回の取り組みは、啓発の部分がなければ、ともするとただのバラ撒きに終わってしまっていたと思います。一方でハーモニックさん側からすると、逆に「商品をどう見せていくか」というところがあったでしょうから、この相反するような難しい課題を乗り越えて、スムーズに形にできたというのが、かなり大きかったのではないかなと感じます。
またこの事業は、やっぱりカタログを贈って終わりだけじゃなくて、申し込んでいただくことに意味があると思っています。
そういった中で自治体の力だけだと、やっぱりどうやって啓発していけばいいのか、というのは正直我々も弱い部分だと認識していましたが、ハーモニックさんはカタログギフトのみならず、例えば屋外広告や、LINEのバナーなど、認知拡大の部分も色々やっていただきました。そういった、あまり自治体では考えつかないようなところを積極的にご提案いただき、我々自治体としても非常に勉強になりました。
今回の事業は終わりましたが、また我々の事業にご協力いただけるところがあればお声がけさせていただきたいと思います。
今回、江東区の新居様(写真:中央)、松山様(写真:左)、大和田様(写真:右)にお話を伺いました。
いただいたご意見を元によりよいサービスの提供を心がけてゆきます。
インタビューに快くご対応していただき、誠にありがとうございました。
お客様の情報
お名前 | 江東区 総務部 危機管理室 防災計画課 |
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所在地 | 東京都 江東区 東陽四丁目11番28号 |
主な事業内容 | 区民の生命・財産を守り、その安全を確保するため、防災施策の基本方針の確立、区民に対する防災意識の高揚、区、防災関係機関及び区民の協力体制強化等により総合的な防災対策及び各種施策を実施している。 |
ホームページ | https://www.city.koto.lg.jp/ |